Excelでt検定,F検定をする方法 -簡単な解説とフォーマット付き-

時短テクニック
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 ものづくり系のお仕事をされている方は、t検定やF検定を使う機会があると思います。具体的に使う場面を挙げると、例えば加工寸法のバラつきや平均値に改善を加えた際に、その効果があったかどうかを判定する際に使えます。F検定ではバラつきに有意差があるかどうかを判定し、t検定では平均値に有意差があるかどうかが判定できますね!

 ただ、いざやろうと思うとやり方を忘れてしまうこともあると思いますので、ここでは計算式を紹介していきます。また、より皆さんのお役に立てるように、フォーマットもご用意していますのでぜひご活用ください。

 私はいつも改善効果を図りたいときはこのフォーマットを使用しています。数字でもわかるし、見た目でも分かりやすいので個人的にはかなり便利に作れたかなと思っています!
 ちなみにこういったフォーマットは一括でどこか分かるところに保管してあると時短に繋がります。「なにかを探す時間」の削減は業務効率化に直結します。そんなとき私は、以下のようなリンク集によく使うフォーマットは一覧でまとめて使っています。おススメですのでぜひお試しください。

  この計算式を覚えてすぐ使えるようにしておけば、何か変化があったかどうかを見るときに、感覚的ではなく、ある程度根拠をもとに説明できます!(もちろん統計学なので万能ではないですが・・・)なので、より安定した技術開発に繋がるんじゃないかと思います。※誰かを説得するときにも使えますので、議論の時間削減⇒定時帰宅!に繋がるかもしれません!

 それでは紹介していきます。

【Excelでt検定,F検定をする方法】

①t検定,F検定はどんなときに使えるか

 冒頭にも記載しましたが、 F検定ではバラつきに有意差があるかどうかを判定し、t検定では平均値に有意差があるかどうかが判定できます 。何かを改善したときに、バラつきが抑えられているかどうかを見たい場合ですと、F検定になります。また、平均値に差があるかどうか(例えば接合強度が上がったかどうか)を見たい場合ですと、t検定になります。このときの注意点として、t検定では等分散かそうでないかで使う式が若干異なります。そのため、t検定をするときにはF検定もセットで行う必要があります※平均値を見て効果があっても、バラつきがめちゃくちゃ増えていたら生産としては厳しいという見方もできるので、いずれにしても両方やることをおススメします!

②F検定の計算式

 ExcelでF検定を行うときは、=F.TEST(データ範囲1,データ範囲2,)で行います。

 すると計算結果としてp値と呼ばれる1以下の数が出てきます。この数値が信頼水準と呼ばれる数値よりも大きければ、有意差は無いという判定結果になります。

 このときに使う信頼水準の値は特に決まりはないのですが、0.05や0.1を使われている方が多いんじゃないかと思います。私も大体どちらかを使っています。

③t検定の計算式

 t検定を行うときは、=T.TEST(データ範囲1,データ範囲2,検定の指定,検定の種類)で行います。

 「検定の指定」では、片側分布であれば1を、両側分布であれば2を入力します。片側と両側の違いは、具体的なケースでいうと、強度が上がっているかどうかを見るときは片側、強度に差があるかどうか(上がるか下がるかは分からない)を見るときは両側を使います。

 「検定の種類」では、等分散(バラつきに差がない)のときは2を、非等分散(バラつきに差がある)のときは3を入力します。

 計算結果としてはF検定と同様に、p値と呼ばれる1以下の数が出てきます。t検定でもこの数値が信頼水準と呼ばれる数値よりも大きければ、有意差は無いという判定結果になります。

 t検定で使われる信頼水準は0.05が多いんじゃないかと思います。私はいつもこの値を使っていますが、より確実に判定したいという時にはもっと低い値を使ったりします。

 紹介は以上です!

 最後に私が使用しているフォーマットを載せておきますので、ぜひご活用ください。Cpkや正規分布を紹介しているページでも紹介しているものです。ポイントは、信頼水準を入力すれば判定結果まで自動で出力されるようにしたところです。フォーマットに使っている計算式も載せておきますので、参考になれば幸いです。

 少しで皆様のお役に立てれば幸いです!

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